私が「終身雇用」を当たり前と思わなかったワケ

よく記事などで「終身雇用の是非」を論考しているものがありますが、大抵は「終身雇用を望む労働者と、それを廃止したい企業」という構図になっていると思います。

が、そもそも労働者側は「終身雇用なんて望んでいるのか」と私なんかは思う訳です。

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私(中年男性)はフリーランスになって十数年経ちますが、新卒から十年近くは普通の企業でサラリーマンをしていました。ちなみに、それらの間に「小さな個人事務所に勤務」が五年ほどあります。

という訳で、もう三十年近く前になりますが、その時の私は「普通に就職する新卒」だった訳です。

当時は今よりももっと「終身雇用が当たり前」みたいな時代でしたが、それでも私は「当たり前でもなんでもない」と考えていたと思います。

一つの会社に自分の人生を約40年も預けるなんて、「普通に考えたら有り得ないだろう」と思っていた訳です。

いや、たまたま自分の居心地が良くて、また会社側から見ても自分が適した人材だったりして、「結果的には40年、一つの会社に勤め続けた」ということは普通に有り得ると思うのですが、自分がまだ働く前とか、もしくは大して年数が経っていないような段階から「この会社に40年間ずっと居るだろう」なんて考えには、なかなか及ばない訳です。

自分が嫌になって辞めたくなるかも知れないし、もしくは会社から「お前は要らない」と言われるかも知れないし、更には会社が業績悪化で潰れてしまうかも知れない訳ですから、むしろずっと同じ会社で勤め続けるほうが「稀」なのだろうと、若いうちからそのように考えていたと思います。

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新卒で実際に働きだすと、仕事自体は非常に面白かったので、この仕事をずっと続けたいなと思いましたが(実際に現在も同じ業界で続けている)、上で述べたような考えにより、会社はいつか辞めることになるかも知れないと常々思っていました。

従って会社を辞める際に、「次の行き先」に困ることのないように、技術力を付けたり経験を積んだり、また実績を残したりする為に、人一倍仕事もしたし勉強もしました。

そして実際に新卒で入った会社は辞めることになりましたが、「会社の規模などのネームバリュー」などには全くこだわりが無かったので(そもそも新卒で入った会社も中堅企業)、実際の仕事内容と給料のみ考えれば特に転職に困ることもなく転職後に結婚も出来たし、その転職先にも思う所があったので子供が出来て間もない頃でしたがそこも辞めてフリーランスになり現在に至る訳ですが、「そこそこ納得のいく仕事内容で、普通に暮らせる分を稼ぐ」だけなら特に何も困ったことは無い、という状況です。

今まで「一つの会社に居続ける為の努力」のようなものに労力を使ったりすることは全くなく、純粋に「自分が仕事をして稼ぎ続ける為」の努力を続けてきたつもりですが、今になって思えば、自分の人生の選択肢を広げるという意味では、そちらの努力をしていて良かったと感じている次第です。